ハイラックス(急速拡大装置)
「ハイラックス」は、上アゴの歯列と歯を支えているアゴの骨を拡大させるための装置です。
中央にあるネジを少しずつ回転させることにより、上顎骨(鼻上顎複合体)の成長(側方、前方)を促進させます。
1日に1回90度(1/4回転=0.2mm拡大)ねじを巻きます。
(10日で2.0mm、30日で6.0mm拡大されます。)
ハ イ ラ ッ ク ス の 効 果
- ●歯を抜かずに矯正できる可能性が高まります
- すべてのケースで非抜歯矯正が可能になるとは限りませんが、歯列拡大によって、スペースが出来るため、抜かない矯正が期待できます。
- ●永久歯萌出不全の確立が低くなります
- ●舌のスペースが広くなり、「MFT口腔筋機能療法」の効果が現れやすくなります。
- 歯列が狭窄していると、舌のスペースも狭いため、舌突出癖や低位舌などの「舌癖」の原因となります。
- 舌癖は下顎前突(反対咬合=受け口)や、上下顎前突、開咬、交叉咬合の原因となります。
- ●歯列が拡大すると、鼻腔が広がります
- 多くの場合、鼻の通りがよくなり、鼻呼吸しやすくなります。嗅覚が発達・改善します。
- いびきの改善、消失により、良質な睡眠が得られます。
- ●鼻のアレルギー、喘息症状の緩快
- 鼻呼吸が改善し、口を閉じて呼吸出来るようになりますので、ウイルスや細菌が口からダイレクトに侵入しなくなります。
- ●姿勢の改善があります。
- ●上顎の劣成長に起因する伝音聴覚障害(中耳炎)の改善があります。
■ハイラックスによる矯正の患者様のインタビューはこちら
ハ イ ラ ッ ク ス を 使 用 す る 時 期 ・ 期 間
出来るだけ早い時期から使用開始(上顎骨の成長時期に合わせて)します。
上顎の幅を十分に拡大出来る時期は、女子は12歳頃まで、男子は13歳頃までです。
上顎の幅を少しだけ拡大する場合には、中学生から25歳頃まで可能です。
注 意 事 項
スクリューの中央にある穴を、前方から奥の方まで一日に1回(1/4回転、90°)回すことでスクリューを拡大させていきます。
決められた拡大量を確実に得るために、決められた日数(回転数)だけ回してください。回すのを忘れて翌日に2度回したり、早い効果を期待して1日に何度も回すと歯の脱落の恐れがあります。
ガム、ソフトキャンディ、お餅など、歯や装置にくっ付きやすい食べ物は取らないように気をつけましょう。
スクリューの裏側に食べ物が入った場合は、専用のブラシで取り出してください。箸や爪楊枝などは、装置の破損や脱落の危険がありますので使わないでください。
治療の際に下記のような症状が起こります
●装着後1~2週間は、ネジ回転直後に歯に痛みが出ます。
●治療初期に、鼻がむずむずします。鼻水が出ます。治療経過により、改善されます。
●装着5週目以降は、正中口蓋縫合離開により前歯に隙間ができます。
●上顎の歯列拡大に伴い、一時的に咬合や咀嚼が困難になります。
●姿勢が良くなるので、後頚筋の痛み(頭痛)が起こることがあります。1~3週間で治ります。
●パラィティタイプ
装着時
使用中
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